島根原発(松江市)で、協力会社から業務の依頼を受けた業者が、有効期限を偽った身分証明書を使って構内に立ち入っていた。中国電力は発電所の安全性に影響はないとしているが、原発のテロ対策や安全性の観点から原因究明や再発防止を求めたり、2号機の再稼働を疑問視したりする声が出ている。
13日に発表した中国電によると、この業者は常時立ち入り許可証を持たない一時立ち入り者。協力会社からの依頼で10日、鳥の巣の撤去作業の下見のため原発構内に入った。外部の業者らが原発構内に入る場合、事前申請した上で身分証明書を見せて本人確認を受けることになっているが、この業者は有効期限を自ら書き換えた身分証明書を示して構内に入ったという。
中国電は「確認が不足していたことをおわび申し上げる。原因を調査し、再発防止対策を講じる」とのコメントを発表。10日に今回の不正を把握し、翌日に原子力規制庁に報告し、県警にも通報したという。