事件概要
山藤三陽印刷株式会社は2026年3月、同社サーバーへの不正アクセスによるランサムウェア被害に関する調査状況(第4報)を公表した。
同社によると、外部専門機関の支援のもと影響範囲とされたサーバーを対象に調査を実施しているという。
調査の結果、現時点では外部流出を目的としたデータ準備(ステージング)の痕跡は確認されていないとしている。
また、攻撃者が運営するデータリークサイトにおいても、同社データが公開された形跡は確認されていないとしている。
本記事では、同社が公開した公式リリースをもとに発表内容を整理して掲載する。
分析
今回の事案では、ランサムウェア攻撃を受けた企業が、外部専門機関によるフォレンジック調査の途中経過を公表している点が特徴といえる。
一般的にランサムウェア事案では、データ暗号化に加えて情報窃取を伴うケースもあるため、企業はデータ流出の有無について慎重に調査を行う。
その際、攻撃者が公開するリークサイトの確認や、データの外部送信の痕跡(いわゆるステージング)の有無の確認などが実施されることが多い。
また、外部専門機関や警察と連携しながら調査を進め、最終報告書の作成後に結果を公表する流れも多くのインシデントで見られる。
今回の発表からも、同社が外部専門機関と連携しながら段階的に情報公開を行っている状況が読み取れる。
この事件からわかること
今回の発表から読み取れるポイントとして、一般的には次のような点が挙げられる。
- ランサムウェア事案では情報流出の有無が重要な調査項目となる
データの外部送信や攻撃者サイトへの掲載の有無などが重点的に確認される。
- フォレンジック調査は段階的に進められる
調査結果がまとまり次第、企業が続報として公表するケースも多い。
- 外部専門機関との連携が一般的である
セキュリティ専門企業の支援を受けてログ解析や影響範囲の特定が行われる。
- 最終調査報告書の提出後に最終的な整理が行われる
企業はその内容を踏まえ、再発防止策や追加の公表を行うことが多い。
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公式発表(アーカイブ)
2026年3月12日リリース分:【重要】ランサムウェア被害に関する調査状況のご報告(第4報)
弊社サーバーに対する不正アクセスおよびランサムウェア被害につきまして、外部専門機関の支援のもと実施している調査のリキャップコールを経ましたので、下記のとおりご報告申し上げます。
1.外部専門機関による調査状況
外部専門機関(Sophos)により、影響範囲として特定されたサーバー等を対象に調査を実施した結果、外部流出を目的としてデータが準備(いわゆる「ステージング」)された形跡は確認されておりません。
また、攻撃者が運営するデータリークサイトについても確認を行いましたが、現時点で弊社のデータが公開・掲載されている形跡は確認されておりません。
2.情報漏えいの有無に関する整理
得られている調査結果を踏まえた整理は以下のとおりです。
・影響範囲として特定されたサーバーにおいて、外部流出を意図したデータ準備(ステージング)の痕跡は確認されていない
・攻撃者のリークサイトにおいて、弊社データの公開は確認されていない(警察および外部専門機関(Sophos)情報)
弊社といたしましては、引き続き、あらゆる可能性を排除せず、慎重に確認を継続しております。
3.今後の対応について
弊社は引き続き、外部専門機関および関係当局と連携し、原因究明と再発防止策の徹底、監視体制の強化を進めてまいります。
外部専門機関による最終調査報告書の受領後、内容を精査のうえ、新たにお知らせすべき重要な事項が判明した場合には、速やかに当社ホームページ等を通じてご報告いたします。
本件につきまして、お客様ならびにお取引先様、関係者の皆様に、引き続き多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、重ねて深くお詫び申し上げます。
弊社では本事案を厳粛に受け止め、情報セキュリティ体制の一層の強化に全社を挙げて取り組んでまいります。
何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
令和8年3月12日
山藤三陽印刷株式会社
代表取締役社長 松岡 孝幸
2026年3月3日リリース分:【重要】ランサムウェア被害に関する調査状況のご報告(第3報)
2026年2月20日付(第1報)およびその後のご報告(第2報)にてお知らせしております、弊社サーバーに対する不正アクセスおよびランサムウェア被害につきまして、外部専門機関の支援のもと実施している調査の進捗状況について、下記のとおりご報告申し上げます。
1.外部専門機関による調査状況(現時点)
外部専門機関(Sophos)により、影響範囲として特定されたサーバー等を対象に調査を実施した結果、外部流出を目的としてデータが準備(いわゆる「ステージング」)された形跡は確認されておりません。
また、攻撃者が運営するデータリークサイトについても確認を行いましたが、現時点で弊社のデータが公開・掲載されている形跡は確認されておりません。
2.ファイアウォールログの確認結果(確認可能範囲内)
SOPHOS社からの攻撃通知(2026年2月18日 23時40分)を踏まえ、現在確認可能なファイアウォールログ(通信記録)を精査いたしました。
その結果、確認可能であったログ期間内においては、データ漏えい(外部へのデータ送信)を示す痕跡は確認されませんでした。
• ファイアウォールログ確認可能期間:
2026年2月19日 02:37 ~ 2026年2月20日 10:53
• 上記ログ期間内の結論:
データ漏えいを示す通信の痕跡は確認されていない
3.情報漏えいの有無に関する現時点での整理
現時点で得られている調査結果を踏まえた整理は以下のとおりです。
• 影響範囲として特定されたサーバーにおいて、外部流出を意図したデータ準備(ステージング)の痕跡は確認されていない
• 攻撃者のリークサイトにおいて、弊社データの公開は確認されていない(警察および外部専門機関(Sophos)情報)
• 確認可能なファイアウォールログ期間内では、データ漏えいを示す通信の痕跡は確認されていない
一方で、データ流出の有無については、発生当時に遡った確認に必要なログが十分に残っていない箇所があるため、最終的な断定が困難であるとの見解が外部専門機関より示されております。
弊社といたしましては、引き続き、あらゆる可能性を排除せず、慎重に確認を継続しております。
4.今後の対応について
弊社は引き続き、外部専門機関および関係当局と連携し、原因究明と再発防止策の徹底、監視体制の強化を進めてまいります。
外部専門機関による最終調査報告書の受領後、内容を精査のうえ、新たにお知らせすべき重要な事項が判明した場合には、速やかに当社ホームページ等を通じてご報告いたします。
本件につきまして、お客様ならびにお取引先様、関係者の皆様に、引き続き多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、重ねて深くお詫び申し上げます。
弊社では本事案を厳粛に受け止め、情報セキュリティ体制の一層の強化に全社を挙げて取り組んでまいります。
何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
令和8年3月3日
山藤三陽印刷株式会社
代表取締役社長 松岡 孝幸
リリース文(アーカイブ)
2026年2月27日リリース分:【重要】ランサムウェア被害に関する調査状況のご報告(第2報)
2026年2月20日付でお知らせいたしました、弊社サーバーに対する不正アクセスおよびランサムウェア被害につきまして、その後の調査状況について、下記のとおりご報告申し上げます。
1.調査および復旧状況について
本件発生後、速やかに関係システムのネットワーク遮断等の初動対応を実施するとともに、外部の専門セキュリティ機関および関係当局と連携し、原因調査および影響範囲の特定を進めております。
現在、影響が確認されているのは、一部の社内サーバーおよび関連機器に限定されており、業務継続に必要な生産体制については、支障のない状態を維持しております。
2.情報漏えいの有無について
現時点におきまして、個人情報を含む各種情報が外部へ漏えいした事実は確認されておりません。
ただし、本件につきましては現在も詳細な調査を継続しており、あらゆる可能性を排除せず、慎重に確認を行っております。
3.お取引先様および関係者の皆様への影響について
お取引先様よりお預かりしている原稿データや業務データにつきましては、影響を受けたシステムとは異なる環境で管理・運用されていますので、現時点で二次被害や外部への影響は確認されておりません。
引き続き、外部専門機関の助言のもと、監視体制の強化および再発防止策の検討を進めてまいります。
4.今後の対応について
今後、新たに開示すべき重要な事実が判明した場合には、速やかに当ホームページ等を通じてお知らせいたします。
お客様ならびに関係者の皆様には、引き続きご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、重ねてお詫び申し上げます。
弊社では、今回の事態を厳粛に受け止め、情報セキュリティ体制の一層の強化に努めてまいります。
何卒ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
リリース文(アーカイブ)
2026年2月20日リリース分:「重要なお知らせ」
当社は2月19日、当社サーバーに対する不正アクセスを確認し、ランサムウェア攻撃を受けたことが判明いたしました。
現在、外部の専門機関および関係当局と連携し、被害範囲の特定と復旧作業を進めております。
現時点では、個人情報を含む情報漏えいの有無について調査中ですが、影響の可能性が否定できないため、慎重に確認を行っております。
お客様ならびに関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
今後、新たに判明した事項につきましては、速やかにお知らせいたします。
令和8年2月20日
山藤三陽印刷株式会社
代表取締役社長 松岡 孝幸