福岡県小竹町のシステムに不正侵入し、データ改ざんを行った職員が逮捕される


勤務先の福岡県小竹町のシステムに約2年間で600回超の不正侵入を繰り返し、過去に取得した年次有給休暇のデータを改ざんするなどしたとして、福岡県警は2022年7月6日、同町税務住民課の主任主事、作本美菜容疑者(34)=同県飯塚市川津=を不正アクセス禁止法違反と公電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕した。県警によると、容疑をおおむね認めている。

逮捕容疑は2020年5月~22年4月、公務中に他の職員のIDやパスワードを使って町のシステムへ計637回にわたって不正に侵入。自身が21年6月と22年3月に取得した年次有給休暇3日分の記録を削除するなどしたとしている。

県警サイバー犯罪対策課によると、不正侵入には町職員24人分のIDやパスワードが悪用されていた。同課は、作本容疑者が有給休暇を不当に多く取得したり、他の職員の給与明細や人事評価の内容をのぞき見たりする目的があったとみて動機を追及する。

逮捕を受け、松尾勝徳町長は6日、町役場で記者会見を開き「誠に遺憾。再発防止と信頼回復に取り組む」と陳謝した。町の調査によると、他の職員がメールに添付して送信していた人事評価に関するファイルを、作本容疑者が自らのパソコンにダウンロードしていた形跡もあった。

一方、町民の個人情報について町はシステム上、アクセスできない仕組みになっており、情報漏えいの恐れはないと強調。町の調べに作本容疑者は「来年に繰り越す有給休暇を増やしたかった。同僚の人事評価なども軽い気持ちで閲覧した」などと説明したという。

作本容疑者は3月、公務中に町役場内にある労働組合の鍵付きの個室を無断で使用し、20代の男性職員と密会していたことが発覚。町が地方公務員法上の職務専念義務違反に当たるとして内部調査したところ、今回の不正アクセスの疑いも浮上し、県警に相談していた。県警は5月に役場内を捜索し、裏付け捜査を進めてきた。