みずほFG システム障害頻発で首脳陣一新・・・(転載)~ITを理解できない人が会社を経営するとこうなる~

みずほFG システム障害頻発で首脳陣一新…ついに消滅した「興銀の栄光」

官界通(以下=官):みずほフィナンシャルグループ(FG)の佐藤康博会長(69)と坂井辰史社長(62)が、度重なるシステム障害で利用者に不便と不安を与えた責任で、ようやく辞任を決めたな。2人はみずほの母体の一つ、旧・日本興業銀行の出身。ある興銀OBが「これで、栄光の興銀の歴史は終わる」と嘆いていた。

政界通(同=政):責任は明確だったのに、なぜ体制一新が遅れたの?

財界通(同=財):2人に「辞任は当然」とする一般の感覚が欠けていたからだろう。

官:興銀出身という点が、関係しているのか?

財:そうだと思う。興銀は明治時代に産業振興のために設立された国策銀行で、債券を発行して得た資金で融資を拡大。とくに鉄鋼、造船、化学、電力など巨大な装置を必要とする重工業の発展に貢献した。戦後も金融債の「ワリコー」「リッキー」が富裕層の人気を集め、2002年4月に経営統合でみずほコーポレート銀行に衣替えするまで存在感を維持した。

官:そう、「財界の鞍馬天狗」の異名を持つ中山素平氏をはじめ歴代頭取は、海外や財界でも活躍した。

政:それに比べ、佐藤氏や坂井氏は小粒で、巨大銀行の舵取りを誤ったということか。

■リテールのあるメガのトップは無理だった

財:そこまでは言わないが、大企業金融の世界で育った人が膨大な個人や中小零細の業者をお客に持つメガバンクグループのトップを務めることに、無理があった。数字優先で、統合の相手だった富士銀行系や第一勧業銀行系の支店を減らし、システム要員らの削減へ猛進した。

政:それが、障害頻発の遠因か。

官:金融庁が出した業務改善命令にも、その視点がある。

財:辞任は2人だけでなく、傘下のみずほ銀行の藤原弘治頭取(60)も辞める。ただ、藤原氏の後任は富士出身の加藤勝彦副頭取(56)に決まったが、FGトップは未定だ。

官:金融庁の雰囲気では、興銀出身者が3代続けて就任する可能性はないな。

財:当然だ。今回だけでなく、もう二度とないかもしれない。


【参考】

みずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループに対する行政処分について (バックアップ