【セキュリティ事件簿#2023-313】千葉県警、国交省のシステムへの不正アクセスで職員を書類送検:関東運輸局のパスワード管理の問題も浮上


千葉県警は、国土交通省の車両情報管理システムに他人のIDとパスワードを使用して不正にアクセスした疑いで、独立行政法人自動車技術総合機構の31歳の男性職員を書類送検しました。この男性は、昨年の期間中に4回、関東運輸局千葉運輸支局習志野自動車検査登録所事務所のパソコンを使用して、システムに不正アクセスしたとされています。

調査によれば、このシステムには車検の結果などが記録されており、男性は8台の車の情報を不正に取得し、オーナーの名前や住所を調査したという。彼は「街で見かける改造車や気になる車の情報を調べたかった」と供述しています。この不正行為は、同機構からの通報を受けた国交省の職員が警察に相談したことで明らかとなりました。

事件の背景には、関東運輸局のずさんなパスワード管理が浮上しています。男性は、事務所の職員が帰宅した後に机の上に残されていたIDとパスワードのメモを利用してシステムにアクセスしていたとのこと。このような管理の甘さが、不正アクセスを許してしまった原因とも言えます。関東運輸局は、この事件を受けて、習志野事務所の全職員のパスワードを変更し、今後は管理方法の見直しや再発防止策を強化するとの声明を出しています。