【セキュリティ事件簿#2023-312】宝塚市 教育用ネットワークシステム内におけるアクセス権限の設定不備の発生について 2023年8月14日


1.概要

令和5(2023)年5月18日から7月26日までの間、本来、教職員だけがアクセス(検索・閲覧・ダウンロード)できるファイルのうち、一部のファイルにアクセス権限設定の不備があり、児童生徒も教育用タブレット端末からアクセスできる状態になっていたことが判明しました。

2.事案発覚の経緯と対応

7月26日に匿名のメールで情報提供があり、教育委員会がアクセス履歴を調査したところ、本年5月18日から7月26日までの間、一部の児童生徒が当該ファイルにアクセスしていたことが判明しました。

7月27日、教育委員会はファイルをダウンロードした児童生徒の端末を起動できないよう遠隔操作で制限を設けたうえ、現在は端末を回収し、代替機と交換しています。この回収した全ての端末を解析したところ、ダウンロードしたファイルを端末外に持ち出した形跡はなく、現時点において、アクセスされた個人情報等の不正利用などは確認されていません。

なお、当該ファイルへのアクセスは市立小中学校の児童生徒と教職員に限定されており、広く外部にファイルが流出したものではありません。

3.事案発生の原因

本年5月18日、宝塚市教育委員会の教育用ネットワークシステムにおける運用保守業務の受託業者が、過去3年間、一度も利用実績のないファイルを旧システム上(サーバ)から現在使用しているクラウドサービスのサイトへ移行する作業の過程において、児童生徒にもアクセスできる設定に変更されたことによるものです。

アクセス権限が変更された原因は調査中ですが、この移行作業において、使用したツールの挙動や仕様の確認およびテストを十分に行い、移行後のアクセス権限の確認を実施していれば防げた事案であると考えています。

4.アクセスされた個人情報を含むファイルの件数など

(1) アクセスされた個人情報を含むファイル数 122件
(2) 当該ファイルを閲覧した児童生徒数 7人
(3) 当該ファイルをダウンロードした生徒数 3人

5.アクセスされた個人情報の主な内容

(1) 一部の児童生徒の指導上の資料や名簿などの個人情報
(2) 一部の教職員の学歴などの個人情報

6.今後の対応

市立学校園に在籍する全児童生徒の保護者に対して本事案を通知するほか、関係する児童生徒、保護者、教職員に対して、改めて事案の説明とお詫びをします。

また、当該システムで管理している全ファイルのアクセス権限を再度確認します。

7.再発防止について

ファイル移行時には、受託業者だけではなく、本市の職員も含めて複数人で確認するなど、慎重に対応するよう周知、徹底を図ります。

また、ファイルを移行する場合の手順書を作成します。