総務省など複数の中央省庁の一部ウェブサイトに、セキュリティー上の不備があった問題で、国土交通省が過去に使ったウェブサイトのドメインがタイのオンラインカジノにつながる広告サイトに一時流用されていたことがわかりました。外部からの指摘で、現在は修正されていますが、専門家は、「信頼性が高い政府機関のドメインが、不正なサイトに使われたことは非常に大きな問題だ」としています。
総務省や厚生労働省など5つの中央省庁では、一部のウェブサイトがセキュリティー対策が不十分で、第三者が不正利用できる状態になっていたことが外部からの指摘で明らかになりました。
いずれのケースも、各省庁が対応し、修正作業が行われているということですが、デジタル庁によりますと、政府機関が利用する「go.jp」とよばれるドメインの管理に問題があったということです。
その後の取材で、国土交通省が5年ごとに公共交通機関の利用実態を調査するサイトのドメインが、タイのオンラインカジノにつながる広告サイトに、一時、流用されていたことがわかりました。
この国土交通省のサイトのドメインを検索エンジンで確認すると、今でもタイ語のウェブサイトのタイトルが数多く表示されます。
国土交通省によりますと、去年11月に外部から指摘を受けて、不正利用に気付き、その後修正したということです。
インターネットの検索エンジンに詳しい辻正浩さんは「公的機関や大企業などのドメインは信頼性が高いため、検索の上位に表示されやすく、広告料を目的としたサイトに使われたのだとみられる。ドメインは信頼性を示すものなので、今回は、国の信用を悪用できる状況にあったと言え、非常に大きな問題だ」と話しています。