公表日:2026年3月6日
組織:東京都水道局(委託先:株式会社クロス・マーケティング/協力会社:株式会社シード・プランニング)
原因:協力会社端末のランサムウェア感染
攻撃手法:マルウェア感染(ランサムウェア)
影響範囲:水使用量・顧客番号・住所・氏名等(約13万件)の漏えいの可能性
深刻度:中(情報漏えいの可能性あり・調査中)
分類:マルウェア感染 / 外部委託リスク
本件は、委託先の協力会社で発生したランサムウェア感染を起点とする情報漏えいの可能性事案であり、外部委託先のセキュリティ管理が影響する典型例である。
事件概要
東京都水道局は2026年3月、委託事業に関連する協力会社においてランサムウェア感染が発生し、個人情報漏えいの可能性があると発表した。
同局によると、水使用実態に関する調査研究を委託した事業の協力会社端末が被害を受け、一部ファイルが暗号化されたという。
対象となる情報には、使用水量や顧客番号、住所、氏名など約13万件が含まれる可能性があるが、現時点で流出は確認されていない。
協力会社ではネットワーク遮断などの初動対応を実施し、外部専門家を交えた調査を進めている。
本記事では、東京都水道局の公式発表をもとに本事案の内容を整理している。
分析
今回の事案では、委託先のさらに協力会社においてランサムウェア感染が発生し、間接的に個人情報への影響が懸念される構造となっている点が特徴である。
一般的にランサムウェア事案では、端末やサーバーの暗号化とあわせて、内部データへのアクセスや持ち出しの有無が重要な調査ポイントとなる。
特に外部委託や協力会社を含む多層的な業務体制では、セキュリティ対策の水準が統一されていない場合、侵害の起点となるケースも見られる。
企業や組織は、感染端末の隔離やネットワーク遮断、ログ調査などを通じて影響範囲の特定と原因分析を進めるのが一般的である。
今回の発表からも、初動対応と並行して外部専門家を交えた調査が進められている段階のインシデントであると読み取れる。
この事件からわかること
今回の発表から読み取れるポイントとして、一般的には次のような点が挙げられる。
- 外部委託先や協力会社を含めたセキュリティ管理が重要となる
業務を委託している場合でも、委託先やその先の協力会社の管理状況が影響するケースがある。 - ランサムウェア感染では情報漏えいの有無が重要な確認ポイントとなる
暗号化被害だけでなく、データの持ち出しがあったかどうかの調査が並行して行われる。 - インシデント発生時は初動対応と調査が同時に進められる
ネットワーク遮断や感染拡大防止とともに、外部専門家を含めた原因調査が実施される。 - 影響範囲は調査の進展に応じて段階的に明らかになる
公表時点では「漏えいの可能性」とされ、その後の調査で事実関係が整理されることが多い。
関連事件
- 株式会社シード・プランニング 不正アクセスでランサムウェア感染・システム障害 2026年3月 | セキュリティ事件簿#2026-113
- 東京都 委託先のランサム感染で個人情報漏えいの可能性 2026年3月 | セキュリティ事件簿#2026-157
- ジョンソン・エンド・ジョンソン 不正アクセスで研究申請情報漏えいの可能性 2026年3月 | セキュリティ事件簿#2026-155
- 株式会社セゾンファンデックス 委託先ランサムウェアで個人情報漏えいの可能性 2026年3月 | セキュリティ事件簿#2026-154
- 国際武道大学 委託先不正アクセスで卒業生情報漏えい 2026年3月 | セキュリティ事件簿#2026-153
公式発表(アーカイブ)
2026 年 3 月 6 日リリース分:委託事業における不正アクセス被害について
水道局(以下「当局」という。)が実施する、令和7年度水使用実態に関する調査研究を委託した事業者(以下「受託者」という。)の協力会社(以下「協力会社」という。)において、サイバー攻撃により個人情報漏洩の可能性がある事案が発生しましたので、お知らせします。
なお、現時点で情報の流出は確認されていません。
記
1 委託内容
(1) 受託者
株式会社クロス・マーケティング
(2) 協力会社
株式会社シード・プランニング
(3) 委託件名
令和7年度水使用実態に関する調査研究委託
(4) 委託内容
当局との給水契約においてスマートメータを設置しているお客さまを対象にアンケート調査を行い、水使用の実態を把握・分析する
(5) 漏洩の可能性がある情報
お客さまの使用水量、お客さま番号、住所、使用者名等(約13万件)
2 経緯
令和8年3月2日(月曜日)、協力会社の端末の一部がランサムウェアによりファイルが暗号化される被害が発生した。協力会社では、直ちに全ネットワークを遮断し、被害拡大を防止するための緊急措置を講じるとともに、状況把握と外部専門家を交えた調査を開始した。その後、3月6日まで、感染経路の遮断及び封じ込め作業、さらなる被害拡大の防止を優先して対応してきた。
当局には、3月6日(金曜日)に協力会社から上記報告を受けた受託者から、連絡があった。
3 対応
現時点で情報の流出は確認されておりませんが、受託者に対し、被害拡大の防止、原因の究明を指示しています。
お問い合わせ
東京都水道局総務部施設計画課
電話 03-5320-6341
