公表日:2026年3月
組織:二本松市
原因:職員による目的外利用(内部不正)
攻撃手法:住民記録システムの不正検索および私的漏えい
影響範囲:特定個人の住所等の個人情報
深刻度:中(個人情報漏えいが確認)
分類:内部犯行
本件は、自治体職員が住民記録システムを業務目的外で利用し、取得した個人情報を私的な知人へ伝達した内部不正による情報漏えい事案である。
事件概要
二本松市は2026年3月、市職員による個人情報漏えいが発生したと発表した。
同市によると、岩代支所に勤務する会計年度任用職員が住民記録システムを業務目的外で利用し、特定の個人の住所等を検索したという。
その後、取得した情報を私的な知人に伝達し、個人情報が漏えいしたことが確認された。
同市は対象者への説明と謝罪を行うとともに、当該職員を免職処分とし、再発防止に向けて管理体制の強化を進めるとしている。
本記事では、同市が公表した公式発表をもとに内容を整理している。
分析
今回の事案では、自治体職員が住民記録システムを業務目的外で利用し、取得した情報を私的に伝達した点が特徴といえる。
一般的にこのような内部不正は、正規の権限を持つ利用者による目的外利用として発生するケースが多い。
発生要因としては、アクセス権限の運用や利用状況の監視が十分でない場合に、業務外利用が見逃される可能性がある。
通常、こうした事案ではアクセスログの確認や関係者への聴取を通じて事実関係を特定し、懲戒処分や再発防止策の検討が進められる。
今回の発表からも、ログ監査により不正利用が判明し、内部統制の重要性が改めて示された事案と考えられる。
この事件からわかること
今回の発表から読み取れるポイントとして、一般的には次のような点が挙げられる。
- 内部不正は正規権限の範囲内で発生することがある
業務で利用できるシステムであっても、目的外利用によって情報漏えいにつながるケースがある。 - アクセスログの監査が重要となる
不正な操作はログの確認によって発見されることが多く、継続的な監視が有効とされる。 - 発覚後は対象者への説明と処分が行われる
個人情報が関係する場合、関係者への謝罪や説明とともに、関係職員への処分が実施されることが一般的である。 - 再発防止として運用ルールの見直しが行われる
職員への指導強化やシステム利用状況の確認など、管理体制の見直しが進められるケースが多い。
関連事件
- 株式会社ユナイテッドアローズ 元従業員の持ち出しで取引先情報漏えい 約1万人 2026年3月 | セキュリティ事件簿#2026-136
- 株式会社マリモホールディングス フィッシングメールで従業員情報漏えい 2026年3月 | セキュリティ事件簿#2026-128
- 株式会社ハガックス 不正アクセスでChatworkアカウント乗っ取り 2026年3月 | セキュリティ事件簿#2026-122
- 日本大学危機管理学部 フィッシングによる不正アクセスで迷惑メール送信 2026年3月 | セキュリティ事件簿#2026-110
- 藤倉コンポジット株式会社 不正アクセスで従業員64名情報漏えいの可能性 2026年2月【セキュリティ事件簿#2025-382】
公式発表(アーカイブ)
2026 年 3 月 6 日リリース分:本市職員による個人情報の漏えいについて
この度、本市職員による個人情報の漏えいが発生いたしました。
市民の個人情報は、市民の皆様の信頼のもとに市が適正に管理すべき極めて重要な情報であり、その取扱いには厳格な守秘義務が課せられております。本件は、その信頼を著しく損なう重大な事案であり、公務全般に対する市民の信頼を大きく失墜させるものと言わざるを得ません。個人情報を漏えいされた方に対しましては、事実確認の説明と謝罪を行うなど、誠意をもって対応してまいります。
市民の皆様の大切な個人情報を取り扱う立場にある地方公共団体として、このような事案が発生したことを大変重く受け止めております。今後は、個人情報の取扱いに関する職員への指導を改めて徹底するとともに、システムの利用状況の確認など管理体制の強化を図り、再発防止に万全を期してまいります。市民の皆様に対し、深くお詫び申し上げます。
事件概要
本市の岩代支所の出先機関に勤務する会計年度任用職員が、市の住民記録システムを本来の業務目的以外に使用し、特定の個人の住所等を検索した上で、その情報を私的な知人に対し伝達したものです。
当該情報の検索履歴はシステムのアクセスログにより確認されており、職員本人も事情聴取等において事実を認めております。
職員の懲戒処分について
対象職員
所属部署:岩代支所
役職名:事務補助員
年齢:48歳
性別:女
処分内容
免職
処分理由
地方公務員法第33条(信用失墜行為の禁止)及び第34条(秘密を守る義務)並びに個人情報の保護に関する法律第67条(従事者の義務)に違反し、地方公務員法第29条第1項各号(地方公務員法違反、職務上の義務違反及び全体の奉仕者たるにふさわしくない非行)に該当すること。
本市の信用を失墜させ運営に重大な支障を生じさせる行為であること。
処分年月日
令和8年3月6日
処分の公表
二本松市職員の懲戒処分の公表に関する要綱の規定に基づき、令和8年3月9日に市議会及び報道機関に対して公表を行いました。
