またしても「文化系団体」のお漏らし事件
公益財団法人「史跡鳥取藩主池田家墓所保存会」が、メールサーバーを不正アクセスされて約180人分の個人情報をお漏らししたと報じられました。発表日は8月12日ですが、公式サイトにリリース文は見当たらず、報道ベースで事実が広まっている状況です。
対象となった情報は氏名や電話番号など。現代の感覚からすれば「たった180人?」と思うかもしれませんが、逆にこの規模でやらかすあたりに“セキュリティ意識の低さ”がにじみ出ています。
「文化財保存」より「メール保存」?
池田家墓所は江戸時代に鳥取藩を治めた大名の墓所で、国の史跡に指定されている由緒ある場所。その保存・管理を担う団体が「墓所の保存」より先に「メールサーバの保存」に失敗したわけです。これでは文化財の威厳も台無し。
ありがちな二次被害シナリオ
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「保存会」を名乗るなりすまし寄付要請メール
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文化イベントを装ったフィッシング
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名簿流出による迷惑電話スパム
正直、使い道が限定的な情報ではありますが、「文化×高齢層」という絶好のだましやすいターゲットが想定される点は注意です。
公益財団法人ならではの“対応力”
通常、こうした個人情報漏えいが発覚した場合は
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個人情報保護委員会(PPC)への速報・確報(原則30日以内)
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本人通知と公式リリース
が必須ですが、現時点では「お知らせ」らしき文書は確認できず。記者クラブにだけ紙で投げたのか、あるいは沈黙戦略なのか…。透明性よりも“事なかれ主義”を優先している印象を拭えません。
皮肉なまとめ
史跡の保存会がやるべきことは「大名墓の石垣を守る」ことだけでなく、「現代の情報資産を守る」ことも含まれる時代です。
文化財は国指定、セキュリティは自己責任。
そんな笑えない現実を突きつけられた事件でした。
出典