2025年7月29日に株式会社ネクスグループより「当社子会社の非公開資料への外部アクセスに関するお知らせ」なる情報開示(以下「本件開示」といいます)が行われました。
本件開示について事実と異なるまたは重大な誤解を招きかねない記載があること、及びその記載により当社田原代表取締役及びOMM法律事務所(以下「代理人」といいます)の名誉を毀損しかねない記載があることから、当社として経緯のご説明と見解を表明いたします。
1 本件の経緯
(1)当社及び当社子会社情報資産の流出
当社はメールや各種資料を含む情報資産をGoogle Workspace内で管理しており、同WorkSpaceの契約は子会社の情報資産を含め当社クシムがシステム仲介業者(以下「A社」といいます)と契約して利用しておりました。
しかしながら、2025年4月1日まで当社取締役であった者(中川博貴氏、伊藤大介氏、松崎祐之氏。以下「旧経営陣」といいます)及び株式会社ネクスソフト(旧クシムソフト)の経営陣(Y氏。当社情報資産取扱責任者を兼任)らは、株式会社ネクスソフトを含む当社の主要子会社群(ZEDホールディングス株式会社及び傘下子会社)を株式会社 CAICA DIGITALに代物弁済という形式で譲渡(当該譲渡といいます)する際(A社へのヒアリングによると1月末から2月の上旬)、当該WorkSpaceに関するA社との契約について一方的に株式会社ネクスソフトに移譲しました。
そして当該譲渡に伴い当社は当社の情報資産に関する一切のアクセス権を失い、株式会社ネクスグループが実質的に当該情報資産に関するアクセス権を握ることとなりました。その経緯は当社が2025年6月16日付「当社取締役に対する他社IRへの見解」でも既に開示しております。
なお、この契約変更についての書類は当社内には一切残されておらず、当社の過去の請求書から2025年1月分までA社と当社は契約関係にあったことが確認されております。しかしながら、A社へのヒアリングによるとA社からの2025年2月分の請求書は当社宛に発出されており、少なくともA社は当社と2025年2月まで契約関係にあったと認識していることが確認されております。
また、この契約変更について当社取締役会における報告・決議は一切されておらず、当時取締役であった当社田原代表取締役も一切認識しておりませんでした。
(当社は、株式会社 CAICA DIGITAL及び株式会社ネクスグループによるZEDホールディングス株式会社の株式取得が違法無効であるものとしてその効力を争っており、本開示はそのような当社の請求を放棄するないし争わないという趣旨を含まないことを、あらかじめ申し添えます。)
(2)ネクスグループが主張する「不正アクセスリクエスト」について
当社田原代表取締役及び代理人は、上記の経緯から旧経営陣が当社情報資産をネクスソフト及びネクスグループと共謀の上、ネクスグループ側管理アカウントへ移転した事実を把握しておりませんでした。
なお、今回のアクセスリクエストは、当社がGoogle Workspace上で管理すべき当社に帰属する情報資産に対して行われたものです。
そもそも当該アクセスリクエストが発生した2025年2月においては、上述の通りA社と当社の契約は継続しており、これをネクスグループが不正アクセスリクエストと主張できる根拠は一切ございません。
(3)株式会社ネクスグループによる情報流出の発覚と社内調査
2025年4月30日に赴任した当社現経営陣は、当該WorkSpaceへのアクセス権が完全に喪失しており、メール及び資料等への一切のアクセスができないことを認識しました。
その後、当社はA社に対してヒアリングを実施し、2025年1月末にA社と当社の契約をすべて株式会社ネクスソフトに移譲する要請があったことを確認しました。
ここに及んで当社は旧経営陣体制において株式会社ネクスソフトを通した株式会社ネクスグループへの情報流出の事実を把握いたしました。
当社は、本件開示が示唆する「ネクスグループ側資料への当社弁護士アクセス」ではなく、ネクスグループ側へ流出した当社情報資産の有無こそが株主保護上の重大事項であると認識しております。現在、旧経営陣の指示系統の解明及び当社情報資産の所在確認を進めております。
特に株式会社ネクスソフトの当時副社長であり現代表取締役であるY氏は当社の情報取扱責任者も兼務しており、A社はY氏から契約変更の申し出があったと述べていることから、Y氏と旧経営陣が共謀して当該情報流出を主導した可能性があると認識しております。
本件契約変更が実施されたのは当該譲渡が実行された2025年1月末から2月であることから、旧経営陣及びY氏は当該譲渡を認識したうえでネクスグループに情報を流出させるとともに当社現経営陣に対して情報を秘匿する目的で本契約変更を行った可能性が極めて高いと認識しております。
2 本件開示に関する当社見解
(1) 弁護士アカウントによるアクセスについて
本件開示で指摘されたアクセスリクエストは、当社が所有・管理すべきGoogleドライブ内の資料(以下「当社資料」といいます。)に対し、当社代理人弁護士が正当な委任に基づき閲覧権限を確認したものです。当該資料はもともと当社が作成・保有していた情報資産であり、アクセスの目的は代理人業務に必要な事実確認に限定されております。その上、2025年2月時点においてはA社と当社は契約関係にあったことが確認されておりますので、ネクスグループの主張は契約上および社会通念上双方において正当性を全く欠いているものと考えられます。
当社の情報資産に対して正当な権限を持つ代理人がアクセスリクエストを試みたものであり、本件開示にいう「不正アクセス」といった趣旨のものではなく、正当かつ適法な行為です。
(2)ネクスグループによる本件開示の不正確性
ネクスグループは代理人による不適切アクセスを強調しておりますが、そもそも当該資料は当社が本来保有し管理すべき情報資産であり、旧経営陣と結託し不当に移転させた事実を看過しております。
当社は半期報告書・決算短信作成のため資料の提供をネクスグループに対して正式に要請しましたが十分な対応を得られず、結果として報告書提出期限の延長を余儀なくされました(2025年6月13日付「2025年10月期半期報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出のお知らせ」)。
ネクスグループは本件開示で「法的手続等を行うことを検討」と記載していますが、情報資産の帰属・権限移転という根本的問題や当社からの度重なる資料提供要請に対する不応答については説明を行っていません。
3 当社の対応方針
当社は、株式会社ネクスグループに対し、当社及び当社子会社の情報資産の速やかな返還をこの場で要請いたします。同時に、株式会社ネクスグループが上場企業として適切かつ節度ある情報開示体制を構築し、両社株主の不安をいたずらに煽ることのないよう、改めて強く求めます。
当社といたしましても、情報開示においては株主およびステークホルダーの皆様への誠実な対応を心がけていくことから、これ以上の本件並びに本件に関連する株式会社ネクスグループの情報開示に対する積極的言及は控えさせていただきます。
その上で、今後も当社役職員及び関係者に対する名誉を毀損しかねない情報開示が継続する場合には、必要に応じ法的措置を検討いたします。
また、当社情報資産の不正流出については詳細を現在も調査中であり、旧経営陣(中川博貴氏、伊藤大介氏、松崎祐之氏)及び情報流出を主導した可能性のあるY氏の行為に対し、関係当局への通報及び民事・刑事上の責任追及を検討いたします。