「ノーモア....」と聞いて、後続の言葉として何が思い浮かぶだろうか?
恐らく、圧倒的に多いのは「ノーモア映画泥棒」だと思う。
また、セキュリティ業界の多くの方は「ノーモアランサム」を連想される方もいるかもしれない。
んで、今日のテーマは「ノーモアコンサル」である。
自分は事業会社サイド(=ユーザー企業)のITに長く携わってきたが、ガートナーの長谷島さんの本「変革せよ!IT部門」は結構納得させられることが多い。
ユーザー企業のIT担当の価値とは何だろうか?
それは自社に最適なITシステムを導入し、そのシステムのマネジメントを通じて自社の利益に貢献(又はリスクの最小化に貢献)することである。
当然ITシステムの導入に際しては自社単体では難しいので、ITベンダーを活用する。
ユーザー企業におけるIT担当の価値は、ここでITベンダーの意見を鵜呑みにせず、自分自身の考えるあるべき姿や、自社にとってのベストプラクティスは何かを考え、ITベンダーやコンサルをマネージすることである。
そして導入~運用フェーズに向けてはドキュメント化を進め、内製化を行い、ランニングコストの最適化を図る。
また、自社のIT戦略策定についても最初は自社単体では厳しいため、コンサルを活用する。
しかし、コンサルに丸投げで後はヨロシクでは駄目である。コンサルがまとめたものは所詮はコンサルがまとめたものであり、それを踏まえて、自社のITシステム担当が最後は責任をもって作り上げるのである。
可能であれば、コンサルに任せた戦略策定のプロセスそのものも吸収して内製化し、次回の戦略策定からは自社で実施するというのもありかもしれない。
自分はこれがユーザー企業におけるIT部門の価値だと思う。
これを怠り、ITベンダーやコンサルに丸投げを続けて自身の価値を落としていくと、↓みたいな結果を招く。
ソニー、社内IT業務をアクセンチュアに委託
ITベンダーやコンサルは適材適所で使用するのは全く構わないが、過度に依存しすぎるのはまずい。
長谷島さんも本に書いているが、間違ってもよいので、自分たちで考えることが重要である。
出典:変革せよ!IT部門