【セキュリティ事件簿#2023-090】浜松開誠館中高、サーバーがウイルス感染して成績や出欠の閲覧不可。緘口令をひいたものの隠ぺいの意図は拒否


浜松市中区の浜松開誠館中学・高校(生徒数計約1200人)で校内のサーバーがコンピューターウイルスに感染し、数年間分の生徒のテストの成績や連絡先が閲覧できなくなっていることが学校への取材で判明した。個人情報の流出や悪用は2023年3月7日時点で確認されていないという。

学校などによると、2月下旬にサーバーが何らかの理由でウイルスに感染。過去5~10年間分の生徒の成績や出欠状況、連絡先などのデータが全て暗号化され、閲覧できなくなった。復旧のめどは立っていない。このため、データを紙で保存していない教員は、生徒の成績評定を記憶などに基づいて行う必要があったという。

関係者によると、学校側は当初、教員たちに問題を外部に口外しないよう求めていた。6日に毎日新聞の取材を受けた後、保護者らに経緯を伝えた。

同校の広報室長は「生徒を動揺させたくないとの思いがあった。隠蔽(いんぺい)しようとしたわけではなく、県教育委員会に報告し、県警にも相談している。原因の把握とデータの復元に努めたい」と述べた。