みずほ障害の調査「人災」の経営責任は重い(転載)~人災と言えば人災だが、関係者全員が他人事なのが根本原因ではなかろうか・・・~

みずほ障害の調査 「人災」の経営責任は重い

再発を防ぐと言われても、果たして信じられるのか。そんな疑念を抱かせる検証結果である。

2021年2~3月、みずほ銀行で立て続けに4回発生したシステム障害をめぐって、親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)が第三者委員会の調査報告書を公表(バックアップ)した。

この中で、一連の障害に共通する原因はシステム上の問題ではなく、人為的側面にあると指摘された。つまり「人災」である。経営責任は当然重い。

みずほFGは今回の報告書を受けて、坂井辰史社長やみずほ銀の藤原弘治頭取の減給を含む役員処分を発表したが、これだけで責任を果たしたといえるのか。

みずほFGの株主総会では、坂井氏ら取締役の選任案が可決された。一方、金融庁は近く一連の障害の行政処分を決める。その際には、経営陣の責任についても改めて厳しく問うべきである。

みずほは2002年、2012年の2度にわたり大規模なシステム障害を起こした。2018年以降にも今回と同様にATM(現金自動預払機)に通帳・カードが取り込まれる障害があったが、未公表だった。これを踏まえてシステムの仕様を見直しておけば、2021年2月28日に通帳などが取り込まれた5244件のうち9割以上は防げたという。

こうした実情では、過去に何度も約束した再発防止の徹底も「空念仏」だったとみられよう。顧客の信用を回復させるには、よほどの覚悟と行動が必要である。

報告書は、今回の障害に共通する問題点として①経営陣への報告や他部署との連携など危機対応上の組織力の弱さ②運用・管理などシステム統制力の弱さ③顧客目線の弱さ―を挙げた。根底にはこれらが容易に改善されない企業体質・風土があるとも断じた。

例えば持ち場を超えた積極的・自発的行動で解決を図る姿勢が弱かった。声を上げて責任を負うリスクを避け、自分の持ち場でやれることしかやらない。そんな企業風土を第三者委は問題視した。

第一勧業、富士、日本興業の旧3行の経営統合で発足したみずほは、強すぎる旧行意識の弊害が指摘されてきた。たとえそれが薄らいでも、事なかれ主義的な内向きの体質がはびこっているのならば深刻である。そこが抜本的に改まらない限りは、今後も「人災」を繰り返しかねないと、経営陣は厳しく認識すべきだ。