サイバーセキュリティお助け隊(令和2年度中小企業向けサイバーセキュリティ対策支援体制構築事業)の報告書(転載)~中小企業の支払い可能なセキュリティ予算は月1万円~

サイバーセキュリティお助け隊(令和2年度中小企業向けサイバーセキュリティ対策支援体制構築事業)の報告書について
 

2019年度(令和元年度)に引き続き2020年度(令和2年度)においても、中小企業のサイバーセキュリティ対策を支援する仕組みの構築を目的とし、全国13地域・2産業分野の中小企業を対象に、損害保険会社、ITベンダー、セキュリティ企業、地域の団体等が実施体制を組み、実証事業(サイバーセキュリティお助け隊)を実施しました。

 本事業の実施を通じて、中小企業のセキュリティ対策の促進や意識喚起、攻撃実態や対策ニーズ把握を行い、中小企業等に必要なセキュリティ対策の内容(対応範囲や費用等)、マーケティング方法や支援体制、中小企業等向けのサイバーセキュリティ対策の一つとして提供するセキュリティ簡易保険サービスのあり方、実証終了後のサービス提供の可能性等の検討を行い、報告書にまとめました。

■中小企業のセイバーセキュリティ対策の実態

  • 本実証事業においても、2019年度事業と同様に、業種や規模を問わずサイバー攻撃の脅威にさらされており、ウイルス対策ソフト等の既存対策だけでは防ぎきれていない実態が明らかとなった。

  • インシデント対応ほか技術的支援は、2020年度は新型コロナウィルス感染症拡大の影響もあり、当初からリモートによる管理可能なサービス提供が多く行われたこともあり、概ねリモートによる支援対応となった。

  • インターネット上に公開しているホームページやサービスサイト等の脆弱性診断において、対象企業のほとんどで何らかの脆弱性(弱点)が発見された。加えて、そのうち概ね2割の企業においては重大なインシデントに繋がる可能性があると診断された。

  • セキュリティ対策上の課題としては、専門人材の不足、社員や専門人材に対する教育がなされていない、費用を捻出することが困難といった声が寄せられた。

  • セキュリティ対策について予算は全くかけていない、あるいは最低限のみ対策費用をかけているという企業が多かった。セキュリティ対策に支払可能な金額としては、月額1万円程度と回答する中小企業が多かった。