2021/04/21

防弾ホスティングとは!?(転載)


そういう法律だとか地政学だとかを巧みに利用したのが防弾ホスティングという面白さ、すごいよね。
 

防弾ホスティングとはホスティングサービスの一種で、匿名性の高いホスティングサービスのことを指します。貸し出したサーバに関する情報を外部に公開せず、通報が合ったとしてもサーバの停止などは行わず稼働し続けます。オフショアホスティングよりもより個人情報が強力に保護されるのが特徴です。

Webサイト運営やメールの送受信に必要なサーバを貸し出すサービスをホスティングサービスといいます。防弾ホスティングはホスティングサービスの1種です。

通常、貸し出したサーバが悪事に使われないように、ホスティングサービス会社はユーザーの利用状況を外部に公開します。しかし、それをせず高い匿名性を維持した状態でサーバを貸し出すホスティングサービスが防弾ホスティングです。

また外部から通報があっても、サーバ停止などの対処は行いません。そのため、犯罪の温床になることも多く、問題視されています。

個人情報がより強力に保護される


個人情報を保護できるホスティングサービスには防弾ホスティングだけでなく、オフショアホスティングがあります。両者は混同されがちですが、防弾ホスティングのほうが強力に個人情報が保護されます。

オフショアホスティングは著作権問題の回避のために利用されるケースが多いです。たとえば、日本国内では著作権法上問題があるコンテンツでも、海外で合法ならオフショアホスティングを利用して提供できます。サイバー攻撃など、明確な犯罪行為は許されていません。

一方、防弾ホスティングは公権力による捜査から逃れる目的で利用されることも多いです。オフショアホスティングよりも幅広いコンテンツが許可されています。防弾ホスティングでも明確な犯罪行為は禁止されていますが、その規約が形骸化していることも少なくありません。

防弾ホスティングはどのようにサイトを保護する?


防弾ホスティングは、法規制を受けない国にサーバを置くことでサイトを保護しています。海外に置かれているサーバには日本の法律が適用されません。

たとえば、著作権法がない国の防弾ホスティングから著作権法違反サイトが公開されていた場合、日本の警察はユーザーの情報にたどり着けません。防弾ホスティング提供会社が、ユーザー情報の提供を拒否できるためです。

テロや麻薬取引など、極めて危険性の高い犯罪に関与している場合は海外でも捜査できます。しかし、その場合でも防弾ホスティングがそれらの犯罪に関与していることを示す証拠が必要なため、一筋縄ではいきません。

防弾ホスティングが使われる目的は?

サイバー犯罪を行うため


防弾ホスティングを利用するサイバー犯罪には以下のようなものがあります。
  • ■スパムメール配信
  • ■Torrentサイト
  • ■著作権侵害サイト
  • ■フィッシングサイト
  • ■C2サーバ
サイバー犯罪の温床として、防弾ホスティングのほかにダークウェブがあります。専用のブラウザなど、特定の環境を整えなければ利用できないWebサイトのことです。単に匿名性を維持し、悪事を働くだけであればダークウェブでも事足ります。

しかし、上に列挙したような犯罪は、特定の環境を持つユーザーだけを集めていたのでは成立しません。一般のユーザーを集められる仕組みが必要です。そのため、通常のWeb環境で公開しつつ、匿名性を維持できる防弾ホスティングが使われます。

機密情報をリークするため


防弾ホスティングは機密情報のリークによる逮捕から身を守る目的で使われることもあります。

仮に政府に非があったとしても、機密情報を世間に公開すれば逮捕されます。しかし、防弾ホスティングを利用して機密情報をリークすれば、誰がリークしたのかわからないため逮捕から逃れられます。

2013年に話題になったNSAの機密文書リーク。その際にも防弾ホスティングを利用したWebサイトが使われました。それ以外に、反政府系サイトや人権保護団体による防弾ホスティング利用例もあります。

防弾ホスティングサーバが提供される国・地域は?


防弾ホスティングサーバはどのような国や地域から提供されているのでしょうか。代表的な地域を2つ紹介します。

高速にネットワーク通信ができる「オランダ」


オランダはネットワーク回線が強く、通信が高速なことが知られています。そのため、この環境を利用できるホスティングサービスが多く存在しています。

さらに、オランダはプライバシー保護やデータ保護に対する考え方が他の国と異なる点でも有名です。著作権法に対する規制が緩く、ホスティングサービスにおいては判断が各サービス会社にゆだねられています。

このような背景から、オランダには防弾ホスティングも多く存在します。

サイバー犯罪が盛んな「旧ソビエト連邦」地域


旧ソビエト連邦地域はサイバー犯罪が盛んです。その理由はソ連崩壊とインターネット普及の時期が被ったことにあります。

ソ連崩壊により失職した多くの理工系出身者が、普及しつつあるインターネットでの犯罪に手を染めました。その結果、多くの利益を得た人たちはホスティングサービスの提供を始めます。

それらは表向きには健全なホスティングサービスでも、実際は犯罪に利用される防弾ホスティングであることが少なくありませんでした。現在でも、サービス名や運営会社名を変えながら存続しているサービスが多くあります。