"YAFRAは、ITセキュリティインシデントに関するレポートを分析し、表現するための半自動フレームワークです。ユーザーはレポートをPDFで提供し、YAFRAはIOC(Indicators of compromise)を抽出します。"
将来性のあるオープンソースプロジェクトで、MISPとの連携も優れています。
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「ゼロトラスト・アーキテクチャ」と聞いたときの反応は、数年前と今ではかなり変わってきているのではないでしょうか。これまでは「ウチには関係ない」と一蹴されるケースもあったかもしれませんが、ゼロトラストの導入事例も増え、一気に身近になってきています。
セキュリティ業界にはありがちですがキーワードだけが先行し、実態はよく知られていないということも多々あります。前回の岡田 良太郎氏の講演レポートで触れられていましたが、“バズワード”には急いで飛びつく必要はありません。ただし放置しないように概略を知っておき、必要なタイミングで必要な部分を取り入れるという積極性は必要かと思います。
ゼロトラストに関しては、キーワードが盛り上がってからしばらくたったことで、重要な資料が“無料で”手に入るようになりました。今回は、これらを紹介していきます。この機会に少しだけでも触れてみてください。
まずは、最重要な資料「NIST SP800-207」を押さえておきましょう。NIST SP800-207は2020年8月に公開された、米国国立標準技術研究所(NIST)による「ゼロトラスト・アーキテクチャ」の教本です。日本語訳はPwCコンサルティングから無料で公開されています。
NISTによるゼロトラスト・アーキテクチャの基本原則は以下の通りです。
- 全てのデータソースとコンピューティングサービスをリソースと見なす
- ネットワークの場所に関係なく、全ての通信を保護する
- 企業リソースへのアクセスは、セッション単位で与える
- リソースへのアクセスは、クライアントアイデンティティーやアプリケーションサービス、リクエストする資産の状態、その他の行動属性、環境属性を含めた動的ポリシーにより決定する
- 全ての資産の整合性とセキュリティ動作を監視し、測定する
- 全てのリソースの認証と認可を動的に行い、アクセスが許可される前に厳格に実施する
- 資産やネットワークインフラストラクチャ、通信の現状について可能な限り多くの情報を収集し、セキュリティ態勢の改善に利用する
NIST SP800-207 「ゼロトラスト・アーキテクチャ」(日本語訳)から引用
米国内の事情に特化した章も含まれるため、この資料のことはあくまで「ゼロトラストという概念を確認する」目的で手元に置いておくものと考えてもいいでしょう。まず2章の「ゼロトラストの基本」を読み、そこから始めるというのがちょうど良いのではないかと思います。
次に紹介するのは、情報処理推進機構(IPA)が2021年6月に公開した「ゼロトラストという戦術の使い方」という実践的な資料です。
この資料は、先ほどのNIST SP800-207を含めて多数の資料を参照しているので、ゼロトラストの入門書としても最適です。本資料は、現場に近い視点から、ゼロトラストを構成する要素を一通り解説しています。
ゼロトラストを構成する要素のキーワードのリストがあれば、私たちは「何を知っていて」「何を知らないのか」「知らないキーワードはどの部分を対象としているのか」などが分かるはずです。
「ゼロトラストという戦術の使い方」では、モデルケースも多数掲載されており、オンプレやクラウドの混在環境でこれをどのように適用していくかのヒントになると思います。制御系システムへの適用も検証されているため、ITとOTが混在するシステムの参考になるはずです。
最後に、金融庁が2021年6月に公開した無料の「ゼロトラスト」指南書「ゼロトラストの現状調査と事例分析に関する調査報告書」を紹介します。
この報告書は、PwCあらた有限責任監査法人が作成し、前半は「ゼロトラストとは何か」、後半は金融機関におけるゼロトラストの導入と事例を紹介しています。
金融機関といえば、安全なシステムを重視して最新の技術よりも“枯れた”技術を採用するという、良くも悪くも保守的なイメージがあると思います。一見、ゼロトラスト・アーキテクチャとは全く相いれないように思えますが、最近ではコロナ禍やデジタライゼーションの進展に伴い、境界型防御の限界を感じてゼロトラストを取り入れる金融系企業も増えています。
同報告書で個人的に気になったのは「ゼロトラスト・アーキテクチャを導入しないと決めた海外金融機関」の事例です。理由はさまざまですが、企業の中には「ゼロトラストはまだ早い」と判断したところもあります。金融系であればこれまで投資してきたセキュリティ対策が十分に機能していることなども理由の一つでしょう。
ゼロトラスト・アーキテクチャを導入しないことは「セキュリティ投資を止める」ことではありません。この判断をした金融機関の中には、ユーザーの振る舞いを監視する「UEBA」や、マルウェア横展開を防ぐ「内部ネットワークセグメントの細分化を実装」するなど、最新のセキュリティ対策を講じているところもあります。この事例は、金融機関だけでなく「ゼロトラストを導入しない」と決めた組織や、決断できず問題を先送りした組織にとって、大きなヒントになるはずです。
【バックアップ】
Jiggys-shop.jp:2,312名
Crazy-ferret.jp:4,004名
618名(2021年3月16日時点)
CISAは、エグゼクティブ・アシスタント・ディレクター(EAD)のエリック・ゴールドスタインによるブログで、あらゆる組織にとって非常にリスクが高く、特に指定された重要インフラや国家的重要機能を支えている組織にとって危険な、サイバーセキュリティ上の悪しき慣習を文書化したカタログの作成を発表しました。
サイバーセキュリティの「ベストプラクティス」に関する広範なガイダンスが存在する一方で、さらなる展望が求められています。最も深刻なリスクをなくすためには、組織が悪しき慣習を止めるための努力を惜しまないことが必要です。
CISAは、サイバーセキュリティのリーダーや専門家に、EAD Goldsteinのブログ記事と新しいバッドプラクティスのウェブページを確認し、ウェブページの更新を監視することを推奨します。また、CISAは、すべての組織が、バッドプラクティスに対処するために必要な行動と重要な会話に取り組むことを奨励します。
本レポートは、Recorded Future® Platform、ダークウェブコミュニティ、オープンソースインテリジェンス(OSINT)ソースから得られた知見をまとめ、COVID-19(武漢ウイルス)パンデミック関連の延期を経て2021年7月23日に開幕する2020年東京オリンピックを前にした脅威の状況を分析しています。本レポートは、オリンピック組織に所属する組織、オリンピックのスポンサー、または来るべきオリンピックへの参加や出席を予定している個人にとって最も興味深いものとなるでしょう。
オリンピックは、200以上の国から選手が集まり、世界中のメディアが報道し、何千人もの観客が集まる、標的が多い環境です。注目度が高く、国際的なイベントであることから、オリンピックは、政治的な動機による危害を加えようとしたり、犯罪によって利益を得ようとしたり、国際舞台で開催国に恥をかかせようとする者の標的となります。過去のオリンピックでは、オリンピック組織やそのパートナーである世界アンチドーピング機構などが、さまざまな脅威アクターから標的にされてきた。
来るべきオリンピック大会には、国家が支援する脅威活動グループ、サイバー犯罪者、政治的不満や地域的緊張を動機とするグループなどが集まる可能性があります。しかし、本稿執筆時点では、東京オリンピックに対する直接的な脅威、計画的な攻撃、サイバー操作を確認していません。
Editor’s Note: この記事は、全レポートの抜粋です。全ての分析結果をご覧になりたい方は、こちらをクリックしてレポートをPDFでダウンロードしてください。