「格差社会」は東京23区内でも広がっていく(転載)~中野区、杉並区、足立区、葛飾区、江戸川区は避けよ~


「格差社会」は東京23区内でも広がっていく:

日本経済新聞に東京の再開発に関する記事が掲載されていました(図表も同紙から)。

2021年末時点の都内の市街地再開発で建設中の住宅戸数は、3万戸超と過去最高レベル。更に、その半数以上は、中央区・千代田区・港区のいわゆる都心3区に集中しています。

特に、中央区の勝どき、晴海といった臨海部では、高層のタワーマンションが次々と完成し、居住用住戸の供給数が過剰になるのではないかとの懸念が出ています。

「当面の金利上昇は想定しにくい。共働きのパワーカップルも増え、マンション価格は下がらない」という大手不動産会社社員のコメントが紹介されていますが、これは販売サイドのポジショントークへの新聞社の忖度として割り引いて聞いておくべきでしょう。

都心の新築マンションは、1億円を超えるものも珍しくなくなり、いわゆる「億ション」も今や高額物件とはいえない状況になっています。

そんな中で見えてきたのは、東京23区のエリアによる格差です。東京都が2018年に行った調査では、都心3区には災害危険度が4~5と判断された地域が1つも無いのに対し、中野区、杉並区、足立区、葛飾区は2割以上あったそうです。

マップを見ると、ブルーの再開発エリアは中心部に集中し、山手線の外側を取り囲むようにレッドで示された危険度の高い地域が残っているのがわかります。

再開発が東京23区の中でも都心部に集中し、周辺部の災害危険度が高いまま放置されてしまう。東京23区の中でも、住環境の「格差社会」が広がっているのではないかと懸念します。

都心部の高級マンションは、もはや真面目に働いて、手に入れられる価格水準を超えてしまいました。

自分が働くだけではなく、お金にも働いてもらう。資産運用が将来の経済的な豊かさを決める大きな要因になる時代がやってきたことを実感します。