【セキュリティ事件簿#2024-012】横浜市立みなと赤十字病院 個人情報の紛失について


このたび、当院におきまして、患者様の個人情報データを保存したUSBメモリを紛失したことが判明いたしました。

該当する患者の皆様、日頃より当院をご利用いただいている皆様にご迷惑とご心配をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。

当院といたしまして、本事案を重く受け止めており、全職員に対して個人情報の取り扱いを厳重に行うよう改めて院内規程の周知徹底を図るとともに、個人情報保護・情報セキュリティ研修を重ねて実施し、再発防止に取り組んでまいります。

なお、現時点で院外への情報流出は確認されておりません。

このたびの個人情報データには、電話番号、住所は含まれておりませんが、今後、見覚えのない問合せなど不審な連絡がございましたら、当院お問合せ窓口までご連絡ください。

1 事案発覚の経緯(下記経緯参照)

令和5年9月7日、職員(医師)が論文作成のため、当院の診療科部門のシステムから個人の USB メモリに診療データ(1,092 件分)をコピーし、院内及び自宅で作業をしていました(12 月1日最終作業日)。12 月 28 日、当該 USB メモリがないことに気付き、年末年始にかけて探していましたが、見つからなかったため、令和6年1月9日、病院に紛失を報告し、発覚いたしました。

2 事案の内容

 紛失した USB メモリには、令和3年(2021 年)4月2日から令和5年(2023 年)9月7日までに当院循環器内科において、カテーテルアブレーション治療を実施した1,092 件分、1,011 名の患者様の診療データ(氏名、患者 ID、年齢、性別、生年月日、診断名(略記号)等)を保存しておりました。住所、電話番号は含まれておりません。当該 USB メモリ及びファイルには、パスワードを付けたか不明確でした。

※カテーテルアブレーション治療
アブレーション治療用のカテーテルで不整脈を起こす原因となっている異常な電気興奮
の発生箇所を焼き切る治療法です。

3 対 応

(1)紛失への対応
本事案発覚後、1月9日に横浜市、1月 10 日に国の「個人情報保護委員会」に「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」第 26 条及び「個人情報の保護に関する法律施行規則」第8条の規定に基づいて所定の届け出を行いました。

(2)当該患者様への対応
該当する患者様に対しまして、本事案についてのお詫びと一連の経緯を説明する書面をお送りしました(1月 16 日送付)。

4 再発防止策

個人情報の適切な取り扱いについて、院内での個人所有の記録媒体を使用禁止とし、業務上必要な場合には、病院の貸与するパスワードロック機能付きの記録媒体を使用するよう、院内規程及びマニュアルを見直しました。また、特に学術領域で個人情報を利用する場合に個人を特定できないような加工を行うことなど、院内規程及びマニュアルの遵守に関して、改めて全職員に対し、個人情報の取り扱いに関する研修及び情報セキュリティに関する研修を通じて、周知・徹底してまいります。

<経緯>

令和 5 年 9 月 7 日 
  • 職員(医師)が論文作成のため、診療科部門のシステムから個人の USB メモリに診療データ(1,092 件分)をコピー(当該 USB メモリ及びデータファイルへのパスワード設定は不明)
  • USB メモリは、院内・自宅での作業で使用
令和 5 年 12 月 1 日 
  • 最後に当該 USB メモリを使用
令和 5 年 12 月 28 日 
  • USB メモリの紛失に気付く
令和 5 年 12 月 29 日 
  • 上司の医師に報告
令和 6 年 1 月 9 日 
  • USB メモリを発見できず当該医師と上司が病院に報告
  • 病院から横浜市に報告
令和 6 年 1 月 16 日 
  • 対象の患者様全員へ書面を発送し謝罪
  • 院内に問い合わせ窓口を設置