組織がランサムウェア攻撃で身代金を支払った場合、 被害の回復にかかる費用が2倍になる!?(転載)~ランサムウェア攻撃を受けた日本企業の3分の1(31%)が、身代金を支払ったことを認めている~



ネットワークおよびエンドポイントセキュリティのグローバルリーダー企業である英国ソフォス(日本法人:ソフォス株式会社 東京都港区)は、世界的に実施した調査に関するレポート『The State of Ransomware 2020(ランサムウェアの現状2020年版』を発表しました。この調査結果により、組織がランサムウェア攻撃を受けた際、暗号化されたデータを復元するためにサイバー犯罪者に身代金を支払うことは、被害を回復するための容易で安価な方法ではないことが明らかになりました。実際、組織が身代金を支払うと、被害を回復するのに必要な総費用は約2倍になっています。本調査は、欧州、南北アメリカ、アジア太平洋および中央アジア、中東、およびアフリカを含む6大陸の26カ国の企業の5,000人のIT意思決定者を対象に実施されました。

日本企業の約半分(42%)が過去12か月間にランサムウェア攻撃を受けており、調査したITマネージャーの55%が身代金を支払うことなくバックアップからデータを復元していました。この調査によると、調査対象の国の中で日本はランサムウェア攻撃によるデータ暗号化の防止に最も効果的な結果を得ておらず、93%の攻撃がデータの暗号化に成功しています。日本はまた、ランサムウェア攻撃の被害を回復するのに最も費用がかかっている国の1つであり、1位のスウェーデンに次いで第 2 位となっています。

身代金を含まない、ビジネスのダウンタイム、受注の損失、運用コストなど、ランサムウェア攻撃による影響に対処するための総費用は平均73万米ドルでした。企業が身代金を支払った場合、この平均コストは140万米ドルに上り、ほぼ倍になりました。ランサムウェア攻撃を受けた日本企業の3分の1(31%)が、身代金を支払ったことを認めています。日本では、身代金を支払ってもデータを復元できなかった事例は確認されませんでした。

ソフォスの主任リサーチサイエンティストのChester Wisniewskiは、次のように述べています。「ダウンタイムの発生による被害を避けるためには身代金を支払わなければならないと考えてしまうかもしれません。身代金を支払うことは、表面上、データを復元する効果的な方法のように見えるかもしれませんが、これは幻想にすぎません。ソフォスの調査結果は、身代金を支払っても、時間と費用面で復元のための負担はほとんど変わらないことを示しています。これは、すべてのデータを復元するための鍵が1つだけであることがほとんどないためと考えられます。多くの場合、攻撃者はいくつもの鍵を共有しており、これらの鍵を使用してデータを復元する場合、作業が複雑となり時間がかかるのです」

世界的には、5%の公的機関の組織が身代金を支払ってもデータを復元できませんでした。実際、暗号化されたデータを復元できなかった組織は全世界では6%でしたが、調査した公的機関の組織ではその数値は13%に上ります。

しかし、通説とは逆に、公的機関はランサムウェアによる影響が世界で最も少なくなっています。前年に大きなランサムウェア攻撃を受けたと回答した調査対象の公的機関組織は45%に留まっています。世界的には、民間のメディア、レジャー、エンターテインメント企業がランサムウェアの影響を最も受けており、回答した組織の60%が攻撃を受けたことを報告しています。