ロボットホテルの末路


ロボットが接客するホテルチェーン「変なホテル」を運営するH.I.S.ホテルホールディングス(HD)は10月17日、「変なホテル舞浜 東京ベイ」(千葉県浦安市)の全100室に設置していた卵型コミュニケーションロボット「Tapia」に脆弱(ぜいじゃく)性が見つかったと発表した。



「変なホテル」は生産性の向上(人件費の削減)を目的に、フロント業務や荷物運びなど、これまで人が担っていた業務のほとんどをロボットに任せていることが最大の特徴。

生産性の向上でロボットを使っている以上、当然ロボットは通信機能を備えている。

通信機能を備えているということは、外部から入り込む余地を与えるということに他ならない。

今回の脆弱性は、「Tapiaのプログラムを書き換えると、他の客の映像や音声を取得し、遠隔地から任意のタイミングで視聴できる」というもので、twitterからの投稿が発端の様だ。

しかし、せっかく脆弱性の指摘をしてくれたのに、対応を放置したH.I.S.ホテルホールディングスとメーカーのMJIの対応はいかがなものかと思う。

個人的には通信機能を備えたロボットを使う以上、常に不正アクセスとの戦いになることは覚悟しなければならないと思う。

生産性の向上は期待できるかもしれないが、人件費削減の代わりに恒常的なセキュリティ投資が求められるため、トータルで見た場合コストパフォーマンスは悪いのではないのだろうか。