住信SBIネット銀行は、2016年1月から、利用状況に応じて様々な優遇が受けられる「スマートプログラム」が開始しました。
住信SBIネット銀行をかなり利用している方にとっては改善する一方で、ライトユーザーにとっては改悪となります。
2017年4月3日には大幅な改善でお得になりました。2018年6月と2021年4月には改悪と改善があります。
住信SBIネット銀行のスマートプログラムの内容、対策についてまとめます。
スマートプログラムとは
「スマートプログラム」とは、住信SBIネット銀行の商品・サービスをよく利用するほど、様々な優遇が受けられるプログラムとなります。
ATM利用手数料無料回数、他行への振込手数料無料回数はこれまで誰でも同じでしたが、今後は住信SBIネット銀行をよく利用している程に回数が増えます。
楽天銀行のハッピープログラムのような制度です。優良顧客ほどに優遇するのは世の常ですね。条件を満たすと以下の特典が得られます。
ポイントの加算
商品・サービスの利用状況に応じて、またはキャンペーンの特典として、ポイントが貯まります。
- デビットカードの利用
- ミライノカード(JCB)の利用
- 外貨預金・仕組預金の月末残高
- 給与・年金の受取、定額自動入金サービス
- 口座振替(1件以上引落し)
- 外貨積立(月1万円以上積立で)
- 純金積立(月5,000円以上)
- キャンペーンの特典
貯まったポイントは、一定のポイント数に達すると1ポイント1円相当で現金へ交換することができます。また、40%の交換レートでJALマイルに移行することも可能です。
ランク制度による優遇
利用状況に応じて、ランク1からランク4までの4段階のランクの判定が行われ、以下の事項でランクに応じた優遇が適用されます。
- ATM手数料無料回数
- 振込手数料無料回数
個人が対象で法人は対象外です。ランク制度の導入は2016年2月からとなります。優遇内容の詳細は下表のとおりです。
ATM利用手数料・他行宛振込手数料の無料回数 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
項目 | ランク1 | ランク2 | ランク3 | ランク4 | ||||
入金 | 無制限 | 月2回 | 無制限 | 月5回 | 無制限 | 月10回 | 無制限 | 月20回 |
出金 | 月2回 | 月5回 | 月7回 | 月15回 | ||||
振込 | 月1回 | 月1回 | 月3回 | 月5回 | 月7回 | 月10回 | 月15回 | 月20回 |
ボーナスポイント | 最大200p | 最大200p | 最大200p | 最大200p |
無料回数を使い切った後のATM手数料は1回100円(税抜)、振込手数料は1回あたり143円(税抜)です。
2021年4月の改悪と改善
ランク2以上はスマート認証NEOが必須
2021年4月1日以降、ランク2以上になるためには、認証機能「スマート認証NEO」の登録が必須条件となります。
ミライノカード保有者も含めて、未登録の場合は強制的にランク1にダウンします。
「スマート認証NEO」は、アプリ「住信SBIネット銀行」とスマートフォンに登録された本人確認情報を紐づける認証機能です。
生体認証もしくはPINコードで認証することになり、パスワードと比較してより安全かつスムーズに取引できます。
スマート認証NEOは不正利用の抑制にもつながり、完全無料で利用できます。
初期の手間が発生するのはデメリットですが、サクッと簡単に手続きでき、負担感は僅少です。
ATM入金手数料が改悪、出金手数料と振込手数料が改善
ランクごとのATM手数料の無料回数では、入金が無制限で無料でなくなり、出金手数料と共通の無料回数が適用されます。
ただし、ランク3以上の場合は最大のATM出金無料回数が増えます。また、ランク2以上なら他行宛振込手数料の無料回数がUP!
ランクの判定条件
毎月1日に、前々月の商品・サービスの利用状況に応じてランクが判定されます。ランクはWebサイトのログイン後ページに表示されます。
当月のランクは2ヶ月前の取引状況に基いて決まります。例えば、2017年8月のランクは、2017年6月の状況に応じて判定されます。ランクを確認できる判定チャートも用意されています。
各ランクの条件について順にまとめます。
ランク2
ランク2はスマート認証NEOを設定した上で、以下3つのいずれかの条件に該当する場合に適用されます。これらに未該当の場合はランク1となります。
- 総預金の月末残高が30万円以上
- 30歳未満
- 総預金の月末残高が1,000円以上 かつ ロボアドバイザー資産運用残高10万円以上
- 総預金の月末残高が1,000円以上 かつ 以下の1~8の条件に2つ以上該当
- 外貨預金(普通・定期)の月末残高あり
- 仕組預金の月末残高あり
- SBIハイブリッド預金の月末残高あり
- カードローンの月末借入残高あり(50万円以上なら2商品分にカウント)
- 目的ローンまたは不動産担保ローンの月末借入残高あり
- 純金積立の引落しあり
- 給与、賞与または年金の振込あり
- デビットカードの利用金額が1万円以上(3万円以上なら2商品分にカウント)
- toto・公営競技 月内入金2万円以上
つまり、総預金の月末残高が30万円以上なら自動的にランク2となります。
総預金残高は、円預金(普通・定期)、外貨預金(普通・定期)、仕組預金、SBIハイブリッド預金の合計残高です。外国為替証拠金取引(FX)の証拠金等は含まれません。
100万円未満の場合は、残高が1,000円以上で、30歳未満か、ロボアドバイザー資産運用残高10万円以上か、1~9のうち2つの条件を満たす必要があります。
最も簡単な方法は、外貨預金とSBIハイブリッド預金の組み合わせです。
1ドル(2021/1/1時点で103.20円)だけ外貨預金して、SBI証券に口座を開設したら預け入れ可能なSBIハイブリッド預金(普通預金)に1,000円預け入れたら条件を充足します。
その他で条件充足が容易なのは、給与・賞与・年金の振込か、デビットカードの利用実績1万円以上です。3万円の利用ならこれだけでクリアできます。
ランク3
ランク3はスマート認証NEOの設定に加えて、以下3つのいずれかの条件に該当する場合に適用されます。
- 総預金の月末残高が300万円以上
- 総預金の月末残高が1,000円以上 かつ 住宅ローンを利用
- 総預金の月末残高が1,000円以上 かつ ロボアドバイザー資産運用残高100万円以上
- 総預金の月末残高が1,000円以上 かつ 以下の1~8の条件に3つ以上該当
- 外貨預金(普通・定期)の月末残高あり
- 仕組預金の月末残高あり
- SBIハイブリッド預金の月末残高あり
- カードローンの月末借入残高あり(50万円以上なら2商品分にカウント)
- 目的ローンまたは不動産担保ローンの月末借入残高あり
- 純金積立の引落しあり
- 給与、賞与または年金の振込あり
- デビットカードの利用金額が1万円以上(3万円以上なら2商品分にカウント)
- toto・公営競技 月内入金2万円以上
つまり、総預金の月末残高が300万円以上なら自動的にランク3となります。
300万円未満の場合は、残高が1,000円以上で、住宅ローンを利用しているか、ロボアドバイザー資産運用残高100万円以上か、1~9のうち3つの条件を満たす必要があります。
最も簡単な方法は、外貨預金、SBIハイブリッド預金、カードローンの組み合わせです。
外貨預金を1ドルして、SBI証券に口座を開設したら預け入れ可能なSBIハイブリッド預金(普通預金)に1,000円預け入れ、カードローンの残高が1円あれば条件を充足します。
ただし、カードローンは信用情報機関に借入情報が記録されますし、1円の借入と返済を繰り返していると更新拒否のリスクがあります。これが気になる場合は、給与の受取かデビットカード1万円利用が簡便です。
給与・賞与・年金のいずれかを住信SBIネット銀行で受け取れる場合は、外貨預金1ドル+SBIハイブリッド預金1,000円+受取で達成できます。簡単ですね。
下限は設けられていないので、給与が3万円でもOKです。一部の企業では2ヶ所以上の銀行に給与を分散して振り込める企業もあります。
そういう企業だと容易に達成できます。入出金明細に「給与」の記載が必要であり、単純な「振込」ではNGとなります。
住信SBIネット銀行のスマプロプログラムまとめ
住信SBIネット銀行のスマートプログラムの導入は、まとまった預金を預け入れていたり、住宅ローン等の契約をしている方にとってはメリットが有ります。
今後は無条件で振込手数料が無料となるのは、1ヶ月あたりたったの1回となりました。ATMの出金手数料は2回だけです。
ただし、外貨預金を1ドルして、SBI証券に口座を開設したら預け入れ可能なSBIハイブリッド預金(普通預金)に1,000円預け入れればランク2となります。
これまで通り振込手数料が月3回までは簡単に無料にできます。ATM手数料が無料なのは5回までとなってしまいます。
外貨預金1ドル・SBIハイブリッド預金1,000円に加えて、更にカードローンの残高が1円あればランク3となり、振込手数料・ATM手数料が月10回まで無料となります。