今日2月2日は、内閣サイバーセキュリティセンターによって「情報セキュリティの日」に指定されています。平成18年2月2日に「第1次情報セキュリティ基本計画」が決定されたことにちなんで制定されたもので、国民の情報セキュリティ意識を高めることを目的しています。
サイバー攻撃の歴史は古く、インターネットが普及していない1986年には、すでに最初期のコンピュータウイルスが開発されていました。パキスタンでコンピュータ販売会社を営んでいたアルヴィ兄弟が、横行するソフトウェアの違法コピーに業を煮やし、「Brain」と呼ばれるコンピュータウイルスを創り出したのです。
この「Brain」はフロッピーディスク(懐かしい響きですね)の内部に仕込まれ、ソフトウェアが違法コピーされると初めて起動します。当初は「このウイルスに用心、ワクチン接種のためにご連絡を…」というメッセージとアルヴィ兄弟の経営する会社「Brain Computer Services」の連絡先を画面に表示するだけだったのが、“いつのまにか”ディスクを読み取り不能にする能力が備わっていた(誰かにの手によってプログラムが書き換えられていた)と言います。
Brainの出現から30年以上がたった現在、IT産業は信じられないようなスピードで進化を遂げ、もはやインターネットや各種のサービス・データベースなしには、現代社会は成り立ちません。
その一方で、サイバー攻撃はより大規模に、より巧妙な手口で行われるようになってきました。たとえば、政府は来年9月に、行政のIT化を推進する「デジタル庁」を設立しますが、この行政機関は日本国民に割り当てられるマイナンバーを一元管理する予定となっています。もしもデジタル庁がサイバー攻撃の被害にあうことがあれば、その損害は甚大なものになるはずです。
デジタルの利便性を享受するためには、サイバーセキュリティの研究・開発は欠かすことのできないものなのです。