セキュリティ白書2018で気になったトピックス:年金データ無断再委託)

IPAより『情報セキュリティ白書2018』がリリースされました。

2018年も半分が終わりましたが、コインチェックへの不正アクセスによる仮想通貨流出や年金関連で個人情報を勝手に中国の業者に委託していた事件など、今年もいろいろ起きています。

そういえば、国から預かった個人情報を勝手に海外に横流しした国賊的事件が気になったので、改めて整理してみたい。

ちなみに皆さんは国民年金ってどう考えているのだろう?もともと社会保険庁がずさんな管理を行っていたことが発覚し、日本年金機構に生まれ変わったものの、2015年に標的型メール攻撃によるマルウエア感染で情報流出したり、委託先の業者が勝手に中国の業者に再委託したり、なんとも呪われた組織体のイメージが強い。。。

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■株式会社SAY企画 ※2018年6月5日解散
[企業情報]
業種:情報・通信業(コンピュータによる情報処理事業、インターネットを利用した各種情報提供サービス業)
資本金:5000万円
従業員数:80人
企業URL http://www.say-p.co.jp/
(魚拓) https://web.archive.org/web/20180319234516/http://www.say-p.co.jp/

[インシデント発覚]
2018年2月

[インシデント概要]
日本年金機構との契約に反して無断で扶養親族等申告書の入力業務を中国の業者に委託。

[被害/影響]
528万人分の個人情報(漢字氏名、フリガナ)

[想定損害額]
10,560,000,000円

[原因]
・社長が阿保だから?
 -入力量が多く、関連会社という甘い認識で作業を分担した。契約違反だとは思わなかった。
 -(中国の業者は)自分が役員を務める中国・大連にある会社で、再委託に当たらないと思った。
 -発注した作業は氏名の読みと漢字をデータから抜き出すだけで、個人情報を扱っているという認識はなかった。

[コメント]
委託業務を日本の給与水準で考えた場合、少なくともどの程度の金額感になるのかは想定がつくはず。

国から預かったデータを中国に流すSAY企画は国賊企業認定だが、安かろう悪かろうを想定できなかったのは日本年金機構も阿呆すぎる。

日本年金機構は、呪われた組織なのではなく、単なる「ザンネン」な組織なのだろうか・・・。
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ちなみに、自分は年金は信用しない派(自分が年金受給するころには年金制度破綻している考え)です。自分の年金は自給自足すべくリスク取って資産運用やっています。

【参考】
情報セキュリティ白書2018
日本年金機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会報告書(概要)